「四万十川中下流域を旅する」

小松昭二さん(新ロイヤルホテル四万十 総支配人)スペシャルインタビュー

高知と言えば、やはり、“最後の清流”四万十川(しまんとがわ)。

「四万十川は懐刀級の目玉商品だ。日本最後の清流というブランドの威力はやはり侮れないものがある。近年は四万十川目当ての観光客も増えており、そのブランド力はもはや周辺の自然環境も含めたものとなっている。」と小説「県庁おもてなし課」で「高知レジャーランド化構想」を提唱する観光コンサルタントの清遠氏は力説しています。(県庁おもてなし課・単行本 P194より引用)

そして―「高知市内から車で小一時間も走ればたどり着く仁淀川を“短距離射程”とすれば、四万十川は(高知市から遠い)“長距離射程”」という趣旨の解説を県庁職員に述べています。(同 P195より)−

その“長距離射程砲”の四万十川ですが、196キロとあまりに長い川の豊富な楽しみ方については、もっと情報提供をしなければ、という意見もあります。小説・映画ともに四万十川の魅力は具体的に清遠氏から解説がなかったこともありますので、ここでは、四万十川観光の中核のひとつ、中村をベースに観光案内を続けている小松昭二さんの中下流域を楽しむためのガイドを一例としてご紹介します。

案内人:小松昭二さんのプロフィール

新ロイヤルホテル四万十総支配人の小松昭二さんは、高知県東部のべふ峡近くの出身です。子ども時代は、学校から帰るとランドセルを放り投げ、毎日物部川で暗くなるまで遊びほうけていた。さらに奥の渓流まで足をのばし、岩をどかして、ウナギを見つけたりもした典型的な川ガキ。そんな川が小松さんの原風景。ところが大人になって、佐田の沈下橋の近くで、子どもと一緒に潜ったら、そこには故郷と同じ川底の景色が広がり、川エビが捕れた。40年前の子ども時代になじんでいた山奥の水中の風景が、河口の川にもそのまま残っていたそうです。その感激が、四万十川に対する小松さんの深い愛情を支えています。

1.四万十川、中村の魅力って?

四万十川は、一本につながった“豊かな川”


四万十川鵜ノ江

“最後の清流”と呼ばれる四万十川は、たしかにきれいな流れもありますが、透明度が高くて澄んでいるというより、むしろ微生物や養分が豊富なゆたかな、生きた川です。

全長196kmの源流から下流までダムが1,2しかなく、川が分断されず、つながっているところが最大の特色でして、実は、そこから生まれる価値がたくさんあります。

日本全国を見回しても、人口数万の都市(四万十市中村)のすぐ傍の川にアユの産卵場所があり、ゴリや川エビが捕れる地域など他にありません。たいていの都市は、残念ながら河口近くが護岸工事で覆われ、川原に下りることもできませんし、水も汚れているのが日本の河川の現実です。四万十川では今も実際に中下流域では川漁師が生計を立てており、古来からいろいろな方法で漁が行なわれていた歴史が現在まで残っているのです。

四万十川を挟んで東に「入野の浜」少し離れて西に「大岐の浜」のような大きな浜があります。全国の海岸線が侵食されどんどん減っておりテトラポット等で砂の流出を防いでいるのが現状の中で、四万十になぜこのような大きな浜が残っているのでしょうか。学問的に証明されている訳ではありませんが、ダム等で分断されていない四万十川が栄養分と一緒に砂の供給をしているのではないか、と推測されています。

「下流域の水質が良い」秘密を持つ四万十川


四万十川下流域の水質

四万十川の流れの陸地の際の砂利沿いに歩くと突然「ひやっと」する場所があります。表面上見えている流れの数倍が地下を通っていると言われていますが、これはおそらく地下を流れていた水が湧水となって出てきたのだと思います。普通、上流に比べ下流は水質が悪いと思われがちですが、四万十川は下流域でも水質が良い珍しい川でもあるのです。

今は四万十市のシンボルの赤鉄橋の上のあたり産卵場所になっていますが、昔は、もっと下流の河口近くにアユの産卵場所があり、橋の上から水面を見ていると、アユが黒い面となって動いている様がよく見えたほどでした。さすがに今はそれほどでもないのですが、それでもいまだに河口近くでアユが釣れる地域は全国でも稀と言えましょう。

四万十の長い流れの川は海へと続き、その後背地である豊かな森は山と一体化しています。海・山・川と自然が揃い、堪能できる地域は、おそらく四万十川周辺、四万十市を含めた幡多地方以外、全国どこにも、おそらくないことにもっと注目していただきたいな、といつも思っています。

歴史ある土佐の小京都「中村」のそばの大自然


中村のそばの大自然

実は中村という場所は、応仁の乱(1467〜77年)を避け、京都から逃れてきた「一條家」ゆかりのまちです。そのまちづくりは、京都同様、碁盤の目に整備され、その姿が今でも残っています。高知県というとても広い県の中でも、高知市周辺と異なる幡多弁という文化を有し、まさに「土佐の小京都の歴史風情」を今に伝えるまちです。そのまちを歩くと、その生活圏に四万十川、そしてもちろん美味しい食がたっぷりと楽しめるまちなのです。京都ほど凝った料理はさすがにありませんが、海と川、山と畑の食材が新鮮ですので、凝らなくても素材の美味しさを堪能できます。

四万十には地域の自然、歴史に詳しいマニアや専門家が多数存在


四万十川子どもツアー

大人の方、高齢の方に「屋形船」観光などで人気のある四万十川ですが、最近は「子どもツアー」でも人気が出てきています。最初はホテルのスタッフが数名ついて、カヌー、川遊び、蛇紋岩拾いなどを体験させていました。今ではそうした体験型のアクティビティが、お子様の体験型学習や親子でのよい思い出づくりの価値ともなり、旅行会社さんのプランにも取り入れられて来ています。

「トンボ自然公園」という素晴らしい施設があるのですが、そこの学芸員は、流域の昆虫や魚などや蛇紋岩のことなど詳しく、いろいろな説明してくださいます。元学校の校長先生で、自然に詳しい有名な方もいます。希少価値のある植物に非常に詳しく、入田の菜の花についても詳しく説明してくださるのです。歴史好きの古老もいて、一條家の由来などを教えてくれる。こうした様々な知識の層があるので、四万十川についても表面的ではない深い話を旅行される方々に語ることができるのです。

道路整備により、さらなる充実した旅へ

昨年12月9日に窪川まで四国横断自動車道が延伸しましたので、高知市内からも2時間以内、龍馬空港からも2時間半でこのエリアに到達できるようになりました。宇和島へのアクセスもあるので、道後温泉からも3時間で到達できます。「高知や道後温泉に一泊して四万十エリアに来ても、プチ体験、プチ観光ができる。より深く体験したい人は、もう1泊増やしてもいい。」−そんな充実した旅のプランが立てやすくなって来ています。

これまでは「四国を2、3日で一気に、とか、四万十川を半日で通過して」、という旅行プランが多かったようですが、これからは四万十周辺の豊かさを数日かけて堪能していただく、そんな旅先にしてほしい、と思いますし、それに応えられる場所だと思います。

2.「中村発。四万十川中下流域」を実際に旅してみましょう

では、実際に、四万十川の肥沃な中下流域の見どころをご紹介していきましょう。

ふだん、小松さんがホテルの熱心な宿泊者の方々に実際にガイドしながら、お話しされている中身を初公開です。

さあ、四万十川に向かって出発!

さて、それでは「中村」の中心部から車で四万十川に向かってみましょう。

四万十川下流域の特徴は、広くなだらかな川が長く続くこと。かなり上流の江川崎あたりから先は、ようやく岩がごつごつした、いわゆる渓谷の景観が広がってきます。

ただ注意していただきたいのは、市街からすぐに四万十川に出るためには川沿いの狭い道を通らなければならないこと。地域の人々の生活道でもあり、時間帯によってはかなり対向車も来ますので、初めての方は慎重な運転を心がけてください。

(以下、記載している所要時間は、四万十市観光案内所からの所要時間です。)

沈下橋は四万十川らしい景観のシンボル。ぜひ自分の足で歩いてみよう。


沈下橋

四万十川らしい景観と言えば、まず沈下橋(ちんかばし)。沈下橋とは、台風、豪雨などで水量が増したときに、文字通り水面下に沈む欄干のない橋のことで、四万十川には大小合わせて47本もかかっています。もともとは中国に原型があり、高知市が日本で初めて取り入れたそうです。今では自然と一体化し、地域にとってなくてはならない生活道路でもあり、貴重な生活文化遺産ともなっています。最近は、テレビドラマ「遅咲きのヒマワリ」でも、重要なシーンのひとつとして紹介され、訪れる人も多くなりました。

ほとんどの沈下橋は車で渡ることもできますが、なんといってもオススメは歩いて渡ること。おだやかに流れる川のリズムを感じ、広い川原や周囲の木々を眺めながら、ゆっくり橋を往復すると、沈下橋がいかに四万十川のおおらかな自然に溶け込んでいるかを体感することができるでしょう。欄干がないため一枚の長い石の板のように見えるので、初めて車で渡るときは、ちょっと緊張するかもしれません。実際には、普通乗用車なら十分通れるだけの幅があるので大丈夫なのですが、それでも必ず対岸を見て対向車が来ていないかどうかをしっかり確認しましょう。万が一どちらからも同時に進入してくると、一方がバックしなければならなくなりますから。

では、下流から順番に、代表的な沈下橋を紹介*していきましょう。

沈下橋は、大水の時に水面下に沈む欄干のない橋で、四万十川流域には本流に21橋・支流に26橋・合計47の沈下橋があり、特に有名なのが通称佐田の沈下橋(今成橋)で、四万十川最長かつ、最下流の沈下橋です。

沈下橋は高度成長期、流域の交通手段が筏・舟母・高瀬舟などから、車・トラックに変わったことで、昭和30年代以降に架設されています。(四万十町(窪川)・一斗俵沈下橋。四万十町(十和)・里川橋を除く)

今では自然と一体化し、四万十川になくてはならない生活文化遺産となっています。沈下橋の原形は「流れ橋」と言われています。木を束ねた板の片側をワイヤーで繋ぎ、増水しても流れないようにし、水が引けばそれをたぐり寄せてまた、石積の橋脚にのせる。

また沈下橋の歴史は中国にあり、大正時代中国を視察した高知市の技術者がそれに感銘を受け高知市の柳原に架けた沈下橋が日本で最初の沈下橋と言われています。

佐田の沈下橋 →車で15分


佐田の沈下橋

ドラマ、映画、ポスターなどにもよく使われる代表的な沈下橋。川幅の広い河口に最も近く、一番距離の長い沈下橋としても知られています。中村から自転車でも1時間足らずで来られますし、川沿いの周遊コースもあるので、サイクリング派にはオススメ。数年前から団体ツアーのバスも立ち寄る人気スポットになっています。

三里の沈下橋 →車で20分

四万十川には、いくつかのカヌー体験施設がありますが、ここも上流から下ってくるカヌーの終点のひとつ。あるとき、カヌー体験をした子どもたちに、迎えの車が来るまでの間、川遊びをさせていると、手づかみで魚を捕った子がいました。これ何?と聞かれたので、見ると、なんとアユ! 私自身も子どものときは岩の隙間に追い込んでアユを捕ったこともありますが、初めての子どもがいきなり捕まえたので、ビックリしましたね。

高瀬の沈下橋 →車で25分

このあたりは川がおだやかに蛇行し、水と緑と川原が美しい調和を保った風景がパノラマのように開けています。またこの付近は、鯉のぼりの川渡しをするスポットにもなっていて、4月中旬から5月中旬にかけて、川をはさんでたくさんの鯉のぼりが空いっぱいに泳ぐ光景は圧巻です。

なお遊覧船に乗るまえに、沈下橋を歩いて渡り、沈下橋の上からの広々とした見通しの良い風景を楽しみ、タイミングが良ければ沈下橋をくぐる遊覧船を見ることができ、その後に遊覧船に乗って沈下橋をくぐり、今度は下からの目線で風景を楽しめます。同じ場所で、沈下橋を上からと下から2回楽しむことができるのも、ここならではの魅力です。

勝間の沈下橋 →車で30分


勝間の沈下橋

かつて「釣り」の有名な映画の撮影現場になったことでも知られています。この流域は少し深くなっているので、橋の上から飛び込み体験ができます。上流から出発するカヌーの休憩場所にもなっているので、飛び込みを楽しんでいる子どもたちの様子がよく見られます。もちろん、中には1人で飛びこむ勇気のない子どもも。そんなときには、後ろからその子の脇下を両手で持ち上げ、沈下橋前の水面上に持っていき、そっと下に落としてあげると、それだけで大喜び。きっと、その子にとっては大冒険だったのでしょうね。

口屋内の沈下橋 →車で25分

橋げたに曲線を多用したデザインがユニークな沈下橋です。近くには支流の中で最も透明度が高いといわれる黒尊川が合流し、その先に紅葉で知られる黒尊渓谷があります。

なお、水面からの高さが高い橋のことを抜水橋(ばっすいきょう)と言いますが、この付近では、沈下橋と抜水橋(口屋内大橋)を同時に見ることができます。時代とともに、川を渡る技術が進歩していくさまを歌った「渡し船、竹の浮橋、沈下橋、今日なりにけり抜水橋」という歌もあります。

岩間の沈下橋 →車で40分


岩間の沈下橋

中下流地域ではもっとも上流にある沈下橋。川のカーブと橋が描き出す美しいたたずまいは、数ある四万十風景の中でもベストショットの一つに数えられているため、観光パンフレットなどによく写真が使われています。


*<参考>パンフレット「日本最後の清流四万十川」より

ココロとカラダを元気にするために、一度は体験したい、させたい川遊び


四万十川遊覧船

川遊びの醍醐味は、カヌーだけではありません。四万十川には、要所要所に船着き場があり、屋形船や帆掛け船(舟母(せんば)船)などの遊覧船が出ています。

特に、帆をかけた舟母船は情緒たっぷり。明治時代末期から昭和30年代まで、木材や木炭、生活物資などを運ぶ船として使われ、河口の中村は交易の拠点として栄えたそうです。午前と午後で風向きが変わるため、行きは海風と山風を使って帆で走り、帰りは櫓で漕ぎます。自然の力と人力で動きエンジン音がしないため、白い帆をあげて静かな川面をすべるように進む船の上からは、鳥の鳴き声が降ってくるように聞こえてきます。また季節によっては、カワセミが舟に寄り添うように一緒に飛んでいき、これもまた四万十川の船遊びならではの楽しみです。

また、屋形船も、定時や随時に運行する船、貸切船、食事付き船など、さまざまな種類があり、四季折々の川、山、両岸の花や草木、ホタル、星などを鑑賞したり、青のり採り、投網漁などの伝統漁法を間近に眺めながら、風情のあるひとときを楽しむことができます。

家族連れで来て、したいことが違っても心配ありません、たとえばカヌーをしたい子どもとお父さん、遊覧船を楽しみたいお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんなど、それぞれの楽しみ方ができます。屋形船から、子どもや孫がカヌーを漕いでいるところを眺めたり応援してあげたりするのも、すてきな思い出になるでしょう。1時間程度の遊覧を終えた後は、3時間コースのカヌーが終わるまでの間、サイクリング、川原散策、蛇紋岩拾いなどで時間を過ごせます。

なお、四万十川は浅いところが多いので、遊覧船が行き来できる範囲は限られています。通常の遊覧船のように一方向型ではなく、必ず周遊して同じ場所に戻ってきます。ですから、車で来ても、車の回収を心配する必要はありません。


カヌー体験1 カヌー体験2

蛇紋岩を探しながら、四万十川や地球の太古の歴史に触れる

四万十川がダムなどで分断されず、つながっているもう1つの証拠は、蛇紋岩(じゃもんがん)。蛇紋岩は、四万十川上流の梼原(ゆすはら)地区の地層に多く堆積した石ですが、梼原川を経て長い時間をかけて四万十川に流れ着き、下流のあちこちの川原で拾うことができます。

耳慣れない蛇紋岩という石はその名のように、蛇の皮のような模様のある岩石で、暗緑色や黒紫色などさまざまな色があります。鉄分を多く含み、磁石に吸着するちょっと変わった石で、サンドペーパーで磨くとつややかに輝きます。あちこちの川原で拾うことができるので、磁石を片手に探してみてください。石は無数にありますが、蛇紋岩はほんの少し。宝探し気分で夢中になって探していると、いつの間にかはるか遠くまで歩いていてビックリすることもあります。

季節ごとに花や星、ホタルを愛でる

四万十川は、四季折々、風情あふれる姿を見せてくれます。カヌー、カヤック、遊覧船などの川遊びを楽しむ以外に、川と風土が育んだ美しい景観の見どころも満載です。

入田ヤナギ林の菜の花 →車で5分


入田ヤナギ林の菜の花

3月上旬から4月中旬、この地域に春の訪れを知らせてくれるのが、入田ヤナギ林の菜の花。四万十市のシンボル、赤鉄橋を渡って、しばらく北に向かうと、約2kmにもわたって、黄色い菜の花と新緑の柳の織りなす美しい光景が広がってきます。菜の花は1,000万本とも言われ、毎年この時期にいっせいに咲きほこります。足元を黄色に染める絨毯の中の遊歩道を散策したり、川原で遊んだり、蛇紋岩を拾ったりなどなど、楽しみ方はいろいろ。もしこの時期に四万十を訪れるなら、一度は立ち寄ってみたいスポットです。また、釣りもできるので、12月1日の落ちアユの解禁日には、たくさんの釣り人が訪れます。

ここの菜の花畑は自然のものです。長いあいだ上流から流れ着いた種が上に強い草がある間ずっと下で待機していたのが、国交省の鮎の産卵場所を整備する事業で砂利を掘り起こす作業をした際に周辺の雑木や草を丁寧に土だけ残して撤去したことにより、(鮎の卵は砂利の隙間に入り込み外敵や川の流れから守られています。例年増水等で砂利が掘り起こされ卵の生育環境が出来るのですが、昔に比べ水量が減少しており、環境が整いにくくなっています。)下で待機していた菜の花が一気に咲き誇りました。その後、地域の住民や学校の生徒さんや観光協会さんが、毎年草刈りなどの除草作業をして、菜の花が咲くのを手助けしてくれています。

川いっぱいに乱舞するホタルを眺め、ロマンチックな気分に浸ろう

四万十川流域は、ホタルの名所でもあります。5月20日から6月10日までの20日間がピークですが、高瀬の沈下橋周辺をはじめ、流域のあちこちにホタルの名所があり、5〜6月の2ヶ月間はどこかで鑑賞することができます。

いろいろな鑑賞プランがありますが、景色と地元の味とホタルの3つを同時に楽しみたいなら、絶対、夕食つきの遊覧船。まだ景色が見える夕方から舟に乗り込んで、暮れなずむ風景を眺めながら、ゆっくり夕食をとります。そして、周囲が暗くなった頃、上流から下りながら、川いっぱいに飛び交うホタルの光の舞を鑑賞します。鏡のように静かな川面にホタルの光が映りこみ、まるで実際の数倍ものホタルが乱舞しているような幻想的な光景があらわれます。

しかも川の両岸が交互に川原と堤になっていて、ホタルは川堤の木の中から飛び出してくるので、船のどちら側に座っても、ホタルを見ることができます。大きな雄大な川の流れを舞台にホタルが飛び交う様は圧巻で、これほどのスケールはおそらく全国的にも例があまりないでしょう。カップルはもちろん、女子旅や家族旅行でも、ロマンチックな気分に浸るにはうってつけです。

四万十川周辺の、見どころスポット、グルメ

川などの自然に中心に見どころをご紹介して来ましたが、旅に食事、宿泊は不可欠です。

少しだけ具体的におススメの場所をご案内します。でも、食事や宿の好みは十人十色。これ以外にも旅をされる皆さんがお気に入りの場所をぜひ探してみていただければ、と思います。

久保川休憩所 →車で30分

川原に下りることもできる休憩所です。集落の明かりもないので、夜は真っ暗ですが、実は無数の星がきらめく隠れた鑑賞スポット。

農家レストラン「しゃえんじり」 →車で50分

「しゃえんじり」とは、この地域の言葉で「自宅の隅っこの野菜畑」のこと。地元の野菜、鹿肉などを使った農家のおばちゃんたち手づくりの田舎料理が売り物。コーヒーつきバイキング1,000円。

農家レストラン「しゃえんじり」

高知県ホームページ - 農家レストラン「しゃえんじり」

黒尊峡谷 →車で1時間半


黒尊峡谷

四万十川支流で一番清流度が高いとされる「黒尊川」上流の渓谷。紅葉の名所として知られています。紅葉する樹種は、カエデ、モミジ、ブナ、ナナカマドなど。

ホテル星羅四万十

四万十川を見下ろせる高台に立地した、中流域唯一のホテル。

ホテル星羅四万十

道の駅四万十とおわ

地産地消、交流、地域振興の拠点として開設。四万十素材にこだわる「とおわ市場」、「とおわ食堂」の他、新聞紙エコバッグづくり体験など。

道の駅四万十とおわ

かっぱ館

かっぱ館

海洋堂ホビー館


海洋堂ホビー館

廃校施設のリニューアルでオープンした、フィギュアの海洋堂のミュージアム。「日本一へんぴなミュージアム」が売り物。

海洋堂ホビー館

*かっぱ館、ホビー館からは、国道439号(通称:よさく)を通れば、40分程度と、意外に短時間で中村に帰着できます。ただし、道が非常に細く山や集落の中を通るので、運転には細心の注意が必要です。運転に不慣れな方や、観光シーズンのご利用はおすすめしません。

3.「中村発。太平洋をのぞむ黒潮町方面」に足をのばしてみましょう

中村の中心部から太平洋に面する隣町、黒潮町まで実は、わずか車で20分程度。

少しだけ足をのばして、黒潮町方面の観光魅力についても少し、ご紹介いたしましょう。

今年の夏からは、四万十市、黒潮町、足摺岬のある土佐清水市などを含む幡多地域で自然博ともいえる観光フェアが開催される予定です。この機会に四万十から足摺まで、ぜいたくな時間をかけた旅をご家族などで計画するには、うってつけかもしれません。

黒潮エリアの観光魅力


砂浜美術館(入野海岸)

黒潮町までは、中村の中心部から車で20分程度。ホエールウォッチングのスポットまでも同程度で行ける距離にあります。

高知市観光を済ませて来るケースを想定しますと、たとえば午前中に高知城や桂浜などの高知市内観光を終えれば、午後早い時間に、カツオ体験施設まで到着することができます。夕方までにホエールウォッチングを終えれば、中村に泊って夕食を食べ、翌日四万十川に向かうプランができてしまいます。

さて、高知方面から来ますと、いきなり最初にきれいな海が見えてくるスポット(入野の浜)があり、波も荒いことが多いその景観に驚かされる方が多いようです。海外の海を見慣れた方々も、「国内でこんなダイナミックな場所があるんですね」とよく喜ばれる場所です。

その少し先には、道の駅ビオス大方もあるが、初めての人はたいていここでいったん車を停めて眺めています。サーフィンのメッカですから、週末はもちろん、平日でもかなりのサーファーが波を楽しんでいる光景に出会います。また、スキューバダイビングもできるので、県外からも多くのファンが訪れています。小さいですが海水浴場もありますので泳ぎも楽しめます。こうしたマリンスポーツ好きが嵩じて、Iターンで住み着き、アルバイトしながら休日にマリンスポーツを楽しんでいる人も増えています。当ホテルでも、そうした従業員がおりまして、そのうちの女性スタッフは、スキューバダイビングを楽しんでいたのですが、結婚してこの土地に住み着いた者です。

手軽に、ホエールウォッチング


ニタリクジラ1 ニタリクジラ2

高知はホエールウォッチングのメッカでもあります。黒潮町では出発する場所が3カ所くらいあります。乗船してからの所要時間は最低3時間。クジラが見えないときはもっと時間をかけることもあります。早朝から漁をしている漁師さんの情報に基づいて船を出すので、クジラが見られる確率は結構高いそうです。もちろん天候によってはクジラが見えないときもあるのですが、船で太平洋の沖に出ること自体、ふつうあまり経験がないはずですし、イルカや他の魚もたくさんいますし、運が良ければ漁の様子も見ることができます。実際もしクジラが見えなくても、ご家族で十分楽しむことができるコースです。

黒潮町おススメの体験・訪問施設

カツオふれあいセンター黒潮一番館 →車で15分


カツオふれあいセンター黒潮一番館 カツオワラ焼きタタキづくり体験

雨でも体験可能な地元の漁師さんや女将さんが運営している体験施設です。中村市街から車で40分程度。高知市内からも1時間半程度で到着できます。

天日塩づくり体験をして、その塩を使ったカツオのタタキ体験もできる施設です。カツオをさばいた後、藁の火であぶり、切るところまで体験でき、それをおかずにして定食を食べることができます。以前、カツオをさばいていたところ、胃袋からキビナゴが7匹出てきたことがあります。丸飲みしたキビナゴが消化されないほど新鮮なカツオがここにいるんだな、と実感したことがあります。

カツオふれあいセンター黒潮一番館

砂浜美術館 →車で30分


Tシャツアート展

砂浜全体をキャンパスととらえ、様々なイベントを行う、新しいタイプの美術館です。ホエールウォッチングのほか、ウミガメの産卵、Tシャツアート展などを行っています。自然やアートが好きな20〜40代の女性を中心とした隠れた人気スポットになってきています。オーガニック、アートなどに魅力を感じる人には、特におススメですね。

(NPO砂浜美術館理事長・村上健太郎氏談)。

砂浜美術館

企業組合ソルトビー →車で40分


天日塩づくり体験

はるかに室戸岬も眺望できる熊野浦に面した施設で、漁師、リタイアした女性、漁協関係者などシニアの方々が中心となって、昔ながらの天日干しの塩づくりをする企業組合。「海一粒」という代表的な商品があります。海水を汲み上げてから、塩を抽出するまでに数か月かかる製法で独自の塩を生産しているスポットです。

ここでは、塩づくり体験もできます。にがりをこした後にできる「浴用塩」は、歯磨き、手洗いなどに使えるスグレモノです。手を洗った後、ツルツルになるので、女性にはうれしいエステグッズ。化粧品会社からも問い合わせがあるほどだが、大量生産に対応できないため断っているそうです。塩づくり体験をした人は無料で希少な「浴用塩」を試すことができますし。さらに運がいいと、パックで売っている「浴用塩」(360円と超安値)を買うことができたりします。

材料の海水は無限にあり、しかもタダ。塩はもちろん、にがりや、さらにその後の「浴用塩」まで、まったく捨てるもののないエコな素材です。

企業組合 ソルトビー


今回案内役をしていただいた小松さんが観光案内の際に利用している四万十川流域の案内マップを掲載しています。

新ロイヤルホテル四万十ホームページ



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