最新記事
最新コメント
ノリスケ
進め!お遍路シスターズ 高知編 (2009年12月22日)
chiko
進め!お遍路シスターズ 高知編 (2009年12月22日)
すなお
進め!お遍路シスターズ 高知編 (2009年12月18日)
よう
進め!お遍路シスターズ 高知編 (2009年12月17日)
Kuma-OT
進め!お遍路シスターズ 高知編 (2009年12月16日)
あっちょちゃん
進め!お遍路シスターズ 高知編 (2009年12月15日)
ヤスオ大師
進め!お遍路シスターズ 高知編 (2009年12月14日)
ユンユン
進め!お遍路シスターズ 高知編 (2009年12月11日)
なっち
進め!お遍路シスターズ 高知編 (2009年12月10日)
プロフィール

「ホットな心・クールな視点・軽いフットワーク」と「知性は仕事よりも、むしろ遊びに宿る」が信条。
簡単に言うと、よく働き、よく遊ぶ人生。旅の企画立案が
大好き!な女子です。

プロフィール

進め!お遍路シスターズ 高知編  [2009年11月25日(水)]
「お遍路してみないはてな

そんな呼びかけに、女子9人が手を挙げた。20代から60代すべてが揃っている。

四国には1番から88番まで札所(ふだしょ)が偏在しているが、札所の番号通り順番に回ってもいいし(順打ち)、逆から回ってもいいし(逆打ち)、一つの県だけ一気にまわってもいい(一国まいり)。
少しずつ回っていく「区切り打ち」なら、週末と有給休暇を組み合わせるしかない私たち現役世代にも、四国八十八か所めぐりはできる電球

「発心の道場 阿波」にある23の札所を踏破し、いよいよ2009年秋から高知県へ。
弘法大師空海が修行した土佐は「修行の道場」と呼ばれ、24番から39番の札所がある。総距離380キロと四国4県の中では最も長く、それなのに札所の数は16と最も少ない。
歩き遍路の半分が挫折するという、困難な道。室戸岬、足摺岬を歩いて超えるかと思うだけで筋肉痛が始まるみたいだ汗

ま、行けるところまで行ってみましょ。
今回は、アツコ、アツヨ、マキコ、ミユキ、ヨシコの5人のお遍路シスターズで
いざ高知へ!走る



◆1日目 晴れ◆

バス電車
10月31日(土)午前7時10分、大阪の梅田ハービスから阪神バス(3240円)に乗り、徳島駅へ。9時51分発のJR特急「むろと4号」(3040円)に乗車する。
鯖瀬駅で一時下車し、「番外札所八坂寺(通称・鯖大師)」を経由して12時12分に再びJR壱岐線に。「海部(かいふ)」駅で阿佐海岸鉄道に乗り換える。

たった1両の電車で、ベージュの花柄のカーテンに紫色の座席と、リビングルームみたいな内装。まったりハートと落ち着く。
小さな電車は12時43分、甲浦(かんのうら)駅に到着。ここが高知の最東端だ。
甲浦婦人会が乗車券の販売を受託する簡易委託駅らしい。駅の売店で働いているおばちゃん2人に聞いてみる。

「日が暮れてきたらバスを拾おうかと思うんですけど、バス停が地図ではわからなくて」
「高知のバスはね、手を上げたら止まってくれますよ」
「えー、ホンマぁ?」
疑いのマナコを隠しつつ、お遍路シスターズは歩き始めた。

太平洋を見ながら爽快に歩く。
真っ先に見えた大看板は「デイセンター海援隊」。高知の介護はまかしちょきロケット というわけだね。キラキラ光る太平洋の海原をみながらテクテク歩く。
歩いてこそ見えるものがある。
例えば道路標示。東洋町は“ポンカンとサーフィンの里”、室戸市は“くじらの里”など、ラブリーなイラストで作った道路標示が道路際にあるし、「ポイ捨て禁止を見ゆうぜよ」と、キャラクターの「ポンカンマン」が立っていたりする。
淡々と続く道に飽きてきたり、疲れて足が重くなったりする時に、こうした道路標示が励ましてくれるのだ。


左)高知県最東のまち東洋町は「ぽんかんとサーフィンの里」 中)室戸市は「くじらの里」としてアピールしている 右)怒っていてもなぜか優しいポンカンマン

国道55号線に沿って歩き、トンネルを2つ越える。
海が見える。「あれ、水鳥が多いなぁ」と思ったら、違った、たくさんのサーファーだ泳ぐ
サーフィンボードが太陽光を受け、時おり波間でキラリキラキラと光る。
サーファーが集まる生見(いくみ)の集落を通り抜け、7キロほど歩いただろうか、午後2時30分、番外札所「明徳寺」(通称・東洋大師)に到着。

お遍路とお接待の世界
立ち寄った空海に、住民が「水が涸れて困っている泣く」と訴えた。谷を登った所に空海が杖を突き立て祈ると水が湧き出て滝となった。滝の前に寺院を建てたのだという。
小さな境内には、飼い犬犬がどっかと寝転んで昼寝をしている。突然の訪問者におびえる様子もない。
温暖な気候と温かい人柄に囲まれているせいか、犬はうらやましいほど「楽隠居」の風情だ。

庭先に、ご自由にどうぞ、とお茶セットが並べてある。インスタントコーヒーとクリープをカップに入れて、ポットのお湯をつぐ。ガラス鉢に盛ってあったキャラメルも1粒いただく。
こうしたものは、いわゆる「お接待」と呼ばれるものだ。

“お四国”は、弘法大師空海が生まれ、修行した土地。多くの修行僧や空海を慕う人々がここを訪れた。故郷を追われたり、重い病に苦しみながら、この地にたどりついた者もいる。
次第に、遍路は信仰と観光を兼ねたブームとなり、現代まで多くの人々を引き寄せてきた。
四国の人々は、さまざまな人々を広い心で迎える。
どんな人でも「受け入れてもらえる」温かさがここにはある。

お四国の人々は、お遍路さんを「お接待」することで、自分たちも功徳を積む。
時にはお茶、時にはお菓子、時にはお金。お遍路さんはお接待を断らず、ありがたく頂戴し、感謝すればいい。
私たちもインスタントコーヒーとキャラメルでほっこりハートし、次に向かって歩き出した。

救いの神は地元のバス
2時間ほど歩くと、さすがに晩秋、日が暮れ始めた。
空が暗くなると、さっきまでキラキラしていた海の色も、ドス黒く変化していく。
そうなると、もう体は動かない。気持ちが前へ進まない。
歩いても歩いても同じ風景。岬を越えても、また次の岬。
私たちの疲れた足はピークに達していた。

バス
東洋町から室戸市に入ってすぐのあたりで、国道沿いの休憩所があった。リュックをおろして休んでいるうちに、高知東部交通の青い車体のバスが通りかかった。
「止まってくださ〜い、乗せてくださ〜い」
手を降ると、ホントだ、バスが止まってくれた。
「民宿徳増さんに行きたいんですけど、近い停留所に来たら教えてくれませんか?」
「“民宿徳増前”っていうバス停がありますよ。そこで止めるき」
甲浦駅のおばちゃんの言う通り。初めての街なのに、なんだか地元民のようにバスに自由に使いこなせた気がしたのだった。

民宿「徳増」のお風呂温泉と、魚介類がたっぷり並んだ夕食で、一気にほっこりする。
汗をかいた下着類を洗濯し、窓の外から、ちゃぷちゃぷ聞こえてくる波の音を子守唄にしながら、9時30分には爆睡モード星ZZZに突入した。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○今日の歩数炎 28508歩

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○今日の宿 

民宿徳増
〒781-7220 室戸市佐喜浜町107-5 黒電話0887-27-2475

お遍路さんには300円割引(お接待)してくれて一泊2食、6200円。3人が同時に入れるお風呂、洗濯機(無料)と乾燥機(有料)あり。今年88歳の竹子ばあちゃんに「インターネットでお顔を見ましたよ」と言うと、「孫が撮ってくれまして」とうれしそう。高知にサーファーが訪れ始めたころ民宿を始めたのだという。今はお嫁さんのみすずさんとともに切り盛りする。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○今日の食事

料理朝 バスの中でおにぎり1個と、海老カツサンドイッチ、お茶
料理昼 徳島駅前の「デイズ・キッチン」で買ったお弁当(500円)。麦ごはん、根菜の牛肉巻、キャベツとちりめんの煮びたし、にんじんとツナのサラダ、ジャガイモとウインナーの洋風茶碗蒸し。
料理夜 民宿で、ごはん、味噌汁、カツオのたたき、ハマチの刺身、赤魚の煮付け、貝の煮付け、里芋と大根のたきあわせ、菜っ葉の煮浸し、お漬け物、竹子ばあちゃん手作りの薬草茶
料理おやつ キャラメルとコーヒー(お接待)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○資料

明徳寺(みょうとくじ) 〒781-7301安芸郡東洋町野根丙2246。別名・東洋大師。本尊は弘法大師。四国八十八か所霊場番外札所。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


◆2日目 大雨◆

11月1日午前6時、起床。遮るものが何一つない海のむこうから、ギラギラ輝くオレンジ色の朝日が昇ってくる。
6時30分、食堂で朝食。高知県畜産試験場で独自に開発された鶏「土佐ジロー」の卵がでる。うまいっクラッカー
卵と納豆をかけたごはん、味噌汁、焼き魚でエネルギーを充電。日本人やのぅ国旗
7時30分、民宿を出発。天気予報は「曇りのち雨雲雨」。できるだけ早く進んでいこう。

海洋深層水の研究が活発
4キロ少し歩いて「椎名」のまちへ。さらに5キロ歩くと「三津」のまち。
国道沿いの途中には、夫婦岩、捕鯨山見跡、海洋深層水研究所など、ほかの街にはない、高知ならではの場所がある電球
車が走るコンクリート道よりも、集落や田んぼの間をぬける古い遍路道の方が歩きやすい。
土地の暮らしを垣間見るのも楽しいし、通り過ぎる人と挨拶を交わすことも気持ちいい。

10時を過ぎると、ポツ、ポツと雨雨があたり始める。民家の軒下を借りて、レインウエアを重ね着し、リュックにもカバーをつける。
雨足は次第に強くなる。湿気と汗で体は濡れ、冷え、弱い右膝に負担をかける。
11時、ずぶぬれの体で、海洋深層水を使った健康増進施設「ディープシーワールド」を通過。
「足湯があるんだって」「入ってく?」「ここで靴脱いだら、もう歩けないと思うよ」「んだよね」
全員の意見は一致。楽をしたいという心に打ち勝つのも修行やなぁ。


左)身長21メートルの空海像。19歳の時を表した姿とか 中)空海が修業した御蔵祠の岩屋。中は真っ暗 右)24番札所「最御崎寺」

強い雨に打たれ、痛い足をひきずっていると、前方に大きな「青年大師像」が見える。
お大師さまの像を見ただけで、なんだか涙がにじんできた。
不思議。でも温かい涙寝る
近づくと、お大師さまは高さ21メートルの真っ白な像。結構イケメンなお顔。
イケメンを見て元気が出るのはどういうこっちゃ。
そういや、来年の大河ドラマ「龍馬伝」もイケメンが主役だ。

鯨カレーなんて初めて
11時30分、ホテル明星(あけのほし)で、早めのランチ。
おっ、「鯨カレー」(1000円)なんてメニューがあるよ(ウマウマクラッカー)食後のコーヒーで一息つく。
ホテル内にリュックを置かせてもらい、御蔵洞(みくろど)の岩屋へ。
空海が修行していた岩屋で、口の中に明星が飛び込み、悟りを得たという伝説がある。
真っ暗な洞窟にはいり、ロウソクと線香を供える。
今でこそ道路が通じているが、かつては本当に「空と海」しか見えなかったのだろう。空海の名そのものの修行の場。

車
雨にけむる室戸岬。あまりの大雨に早くも挫折し、タクシーを呼ぶ。

24番札所「最御崎寺」(ほつみさきじ)に到着。通称「東寺」として親しまれている。
標高差150メートルの坂を登っていくと、坂道を流れる雨水に乗ってでっかいミミズがころがり落ちてくる。ミミズよ、キミもこの雨で苦労してるんやね汗

山門の前で合掌、一礼。手洗いで手と口を清める。
小雨になり、白いもやが立ちこめる境内が幻想的だ。
本尊「虚空蔵菩薩」の祀られている本堂で、納め札、線香3本、ロウソク1本、お賽銭を納めて念珠をすり、合掌してから、般若心経(はんにゃしんきょう)を唱える。

札所は「打つ」のだ
次に、空海をまつっている「大師堂」でも、同じ手順でお経を唱える。その後、納経帳に墨書と御朱印をいただく。
メンバーの一人、ミユキは、納経帳でなく白衣に御朱印をいただいている。八十八か所を回ったあとは、その白衣は死出の衣として使う天使ことができるという。

だいたい一つの札所を30分ぐらいで打つ。お遍路さんが巡礼する札所は、「参る」「詣でる」ではなくて「打つ」という。
最御崎寺の境内には、石でたたくと冥土まで音が響くと言われる「鐘石」があった。
コンコンと鋭角的な音がしたけど、冥土へ届いたかな譜面

古来セレブが往来した高知
午後1時40分、山門で再び、合掌、一礼。急カーブで降下する室戸スカイラインをひたすら降り、40分ぐらいで海岸沿いの道へ。
果てしない海岸線を見ながら歩く歩く歩く・・・。


左)急降下する室戸スカイラインから海岸沿いの道を臨む 中)25番札所津照寺。石段の中央にある鐘つき堂のアールが美しい 右)26番札所金剛頂寺。雨に濡れ、しっとりとした境内

途中、よく見かけるのが「昭和9年海瀟襲来地点」の石碑。
昭和の時代で最大級の台風の一つだった昭和9年の室戸台風の折、こんな民家のところまで津波がきたのか、と息をのむ。

2キロほどで室戸岬港(津呂港)、その2キロ先に室津港。
「土佐日記」の紀貫之が停泊した港らしい。山内一豊夫妻も土佐に赴任したんだって。
高知って平安の昔から、有名な人々が往来したんだなぁ。

やっと25番札所津照寺(しんしょうじ)へ。通称「津寺」(つでら)と呼ばれている。
長い石段が続き、その途中に竜宮門のような鐘つき堂があるのがユニーク。本尊は地蔵菩薩。海上の安全の守り神として漁師の信仰を集めているという。
本堂と太師堂でお経を唱えていると、またもやバケツをひっくり返したような雨。
「あれ、私、お経をどこかで落としてきたわ」とマキコ。
「ロウソクも線香も雨で湿って火がつかない!」とアツヨ。
アクシデントは次々と起こる困った

やっぱ鰹のたたきでしょ
あ〜あ、戦意(?)喪失。さっきのタクシードライバーに携帯で電話して迎えにきてもらう。なんたるていたらく汗
「1日20キロ歩くと、もう無理になるよね」
「あんたら、まだ若いのに、もっとがんばれるよ」
ドライバーに励まされる。

車
海岸沿いの3.8キロから山道をタクシーは登り、26番札所金剛頂寺(こんごうちょうじ)へ到着。
最御崎寺の東寺にたいして、こちらは「西寺」と呼ばれている。本尊は薬師如来。本堂と大師堂を打つと午後5時すぎ。

札所の敷地内にある宿坊へチェックイン。衣服を洗濯し、リュックもウエストバッグも濡れているので、中身を出して干しておく。
夕食にはで、で、出た! 鰹のたたきだ。うっ、うまーいクラッカー
高知のカツオは「新鮮」「大きい」「香ばしい」の3つが揃っている。
お腹がふくれたとたんに眠くなる。足にサロンパスを貼って今日も爆睡星ZZZ

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○今日の歩数炎 33820歩

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○今日の宿

金剛頂寺宿坊(西寺壇信徒会館)
〒781-7108高知県室戸市元乙523 黒電話0887-23-0026

1泊2食付き5800円。信徒さんたちが運営する宿坊は立派な建物で、快適な風呂と広い食堂、どこも掃除が行き届いている。夕食の量が半端じゃない。何よりもカツオのたたきのうまいこと。新鮮で、とても香ばしい香りがする。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○今日の食事

料理朝 民宿で、ごはん、ワカメの味噌汁、土佐ジローの生卵、納豆、海苔、焼きたての小イワシ、豆腐とじゃこ、ちくわ、こぶの佃煮、漬け物
料理昼 ホテルで、「鯨カレー」(1000円)
料理夜 宿坊で、カツオのおこわ、にゅうめん、カツオほか3種類のお造り、里芋・かぼちゃ・しいたけ・こんにゃくの煮付け、エビの天ぷら・豆のかき揚げ、茶碗蒸し、メロン、なし
料理おやつ 歩きながらの飴玉

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○資料

ホテル明星 〒781-7101室戸市室戸岬町3883  黒電話0887-22-3232
24番最御崎寺 〒781-7101室戸市室戸岬町4058-1  黒電話0887-23-0024
25番津照寺 〒781-7102室戸市室津2644  黒電話0887-23-0025
26番金剛頂寺 〒781-7108室戸市元乙523  黒電話0887-23-0026

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


◆3日目 晴れ◆

11月2日(月)午前6時、護摩堂で朝のお勤め、他の部屋に泊まる人たちと一緒に般若心経をよむ。
ご住職の講話がありがたいのだが、筋肉痛と膝痛がたたり、正座がつらい悲しい
6時30分、朝食をいただく。アツコの様子がおかしい。昨夜半、体調を崩し、上から下からリバースしちゃったらしい。
同じものを食べた私たちにはその症状が出ていないので、やっぱり体が疲れている証拠なのだろう。アツコは朝ご飯もあまり食べずに青白い顔をしているショック

無理は禁物だ。今日は歩くより、バスに乗る時間を多めにとろうよ。
7時30分出発。晴れ上がっているのはいいが、今日の天気には「強風波浪注意報」がついている。


左)重要伝統的建造物群保存地区「吉良川」の街並み。伝統的な住宅の軒下に花を並べた花屋さん 中左)青空を映して真っ青な太平洋には、豪快な波しぶき。中右)27番札所神峯寺。境内は清々しく掃除されている 右)神峯寺で求めたお守り「厠守護」。トイレや水回りに貼る

土佐備長炭の故郷、吉良川
昨日の雨でぬかるんだ山道をすべりそうになりながら山道を降りる。
海岸沿いの国道55号に出て、ひたすら北西方面へ。
7キロほど歩くと、古い街並が残る重要伝統的建造物群保存地区の「吉良川(きらがわ)」のまちへ到着。
白い漆喰の壁から、角が突き出したような水切り瓦が美しいキラキラ

「ここらあたりは、横風が吹き付ける雨が多いので、この瓦が漆喰の壁を守っとりますき」
まちなみ館のお向かいに住むおじさんが熱心に説明してくださる。
夏には湿気が籠ることから、天井の高い1階には家具を置かず広く使い、天井の低い2階に収納スペースをつくる。
2階にはあかりとりの虫籠窓がついている家も。
近世以来、備長炭や材木の産地として栄え、経済的繁栄を背景にこの美しい街並が形成されたと聞いた。

バス
「これ、お接待です、どうぞ」
中年男性が寄ってきて、私たちに1粒ずつ、パイン飴をくださった。
国道に出てバスを拾った。窓から見える太平洋の波しぶきは、昨日より大きい大波
さすが強風波浪注意報発令中。
途中で、腰が大きく曲がったおばあさんが乗車してくる。ステップに足を乗せるだけでもひと苦労だ。すかさず乗客のみんなが助けに入る。高知県民の気質、やさしいなハート
奈半利(なはり)駅を過ぎ、唐浜(とうのはま)で下車。
いよいよ難所の一つ「まっ縦の急坂」を登り、27番札所神峯寺(こうのみねじ)へ向かう。

遍路ころがしという難所
地場産物を販売する「神峯」の女将さんに聞くと、飲食店はこのあたりにないという。
どうしよう、お昼ご飯。リュックにバナナ1本が入ってるけれど。
女将さんがおにぎりを作ってくれるという。
「ここにリュックを置いていきなさいよ。行って帰って2時間半だから」
甘えさせていただく。

標高430メートルの山上を目指し、車道を串刺しにするように、まっすぐ昇る遍路道。
1時間半ひたすら昇る。
こういったお遍路さんを悩ませる難所は「遍路ころがし」と呼ばれる。転ばないよう、金剛杖をつきながら、一歩ずつ昇る。

リュックという重荷を負わないだけで、足取りは相当軽い。
風景が変わり映えしない場所を淡々と進むより、多少体はしんどくても乗り越える山がある方が目標になる。
つくづくお遍路と人生は似ているなぁ、と思う。

神峯寺の中は広大で、太平洋が一望できる山の上にある。本尊は十一面観世音菩薩。
鐘楼の裏手に湧く土佐の名水「神峯の水」は、昨日の大雨で水質が変わり、飲めない。残念だアウト
珍しいお札があったので購入。「厠守護」。下の病気に効くという。

結局往復に3時間近くかかった。リュックをとりに行きがてら、女将さんの店でゆずのジュース「ごっくん馬路村」で一息つく。
このジュース好きなんだよなラブ

アンパンマンの生まれた場所
電車
唐浜駅から「土佐くろしお鉄道」に乗る。これも小さな電車だけど、駅の看板には一駅ごとに漫画家やなせたかしさんのかわいい絵が添えられている。
アンパンマンの生みの親、やなせたかしさんは高知県香美市の出身だ。
車内で車掌さんから切符(890円)を購入し、35分ぐらい電車に揺られ、「のいち」駅で下車。4時15分、温泉付き温泉のホテルにチェックインする。


左)土佐くろしお鉄道の社内で求めた切符。「ごめん・なはり線」という名前がなんだかかわいい 中)各駅にも、鉄道の中も、やなせたかしさんの可愛いイラストが描かれている 右)昨日に引き続いて今日も夕食に鰹のタタキが出た。2日続けてもうまい、新鮮、たまらんわ

同行二人の旅
いつもは民宿や宿坊ばかりだが、ホテルに泊まるのはこれが初めてだ。
ホテルの女性スタッフが一般的なお遍路宿と同様、金剛杖を洗う水の入ったバケツをもってきてくれる。

金剛杖は、お大師さまを象徴している。
だから、1日の旅が終わったら、杖を洗い、部屋までもって入る。傘立てに置くのではなく、床の間で杖にも休んでもらうわけだ。
頭に被る菅傘には「同行二人(どうぎょうににん)」と書かれている。
これはお遍路をする時にはいつでもお大師さまが見てくれているよ、どこでもお大師さまと一緒だよ、という意味だ。
旅のそして人生の伴走者ということかもしれないね。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○今日の歩数炎 32607歩


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○今日の宿

高知黒潮ホテル
〒781-5213高知県香南市野市東野1630 黒電話 0887-56-5811

1泊2食温泉付きのお遍路プラン7665円。広い温泉にはサウナや電気風呂もあって、疲れがとれる。食事は館内のレストランで。朝食は洋食/和食を選べる。タオルもバスタオルも使え、1日中何度入浴できるカードをもらえた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○今日の食事

料理朝 宿坊で、ごはん、わかめと麩のお味噌汁、焼き鮭、ひじきと大豆の炊き合わせ、ほうれん草のおひたし、温泉卵、しらすおろし、冷や奴、漬け物
料理昼 札所の境内で、梅干しのおにぎり1個、バナナ1本
料理夜 ホテルで、ごはんとじゃこ山椒、レンコン饅頭、鰹のたたき、 がんもどきや昆布巻きの炊き合わせ、海老やなすの天ぷら、 
料理おやつ パイン飴(お接待)、高知県馬路村産の「ごっくん馬路村」(柚ジュース)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
○資料

地場産品直売「神峯」〒781-6422安芸郡安田町唐浜2738-57 黒電話0887-38-8078
27番神峯寺 〒781-6422安芸郡安田町唐浜2594 黒電話0887-38-5495
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


◆4日目 晴れ◆

11月3日(火)いよいよ最終日。高知駅までの約20キロを歩く。
6時30分、朝食をとり、7時30分に出発。
冷え込んでいるが、急坂の砂利道を昇ると汗だくだ。
28番札所大日寺に到着する。本尊は大日如来。
本堂と太師堂を打ち、納経所の傍らでほっこりハートお茶を飲む。


左)坂道や石段を登った上に28番札所「大日寺」があった 中)「物部川」の中州には、FINALの砂文字が見える 右)一面に広がる「ニラ畑」。高知産のニラをたっぶり使ったレバニラを食べたいな

大きな一級河川「物部川」を渡る。川面を抜ける風が涼しい。
高知の最大の良さだと思ったのは「川の美しさ」だキラキラ
高知へ来て、大きな川、小さな川をたくさん歩いて渡ってきた。
底の底まで透き通っている川を、何度みかけたことだろう。
かけがえのない財産だとうらやましくなる。

次の札所へ行く途中で、お接待を受け、よく熟れた甘い柿を一切れいただく。なごむわぁハート
地元のおじさんが言う。
「女性は何人かで来るのがいいよ。一人歩きの女性が危ない目にあうこともあるからね」
お饅頭屋さんで、「へんろ石饅頭」を1つ購入してほおばる。こういう寄り道があるから、私たちの到着は予定より遅れるんやなぁ汗 
11時10分、29番札所国分寺へ到着。
行基が開山し、紀貫之が国司として赴任した土地という。本尊は千手観音。


左)29番札所「国分寺」の仁王門。さすがの風格 中)迷って迷って辿りついた30番札所「善楽寺」の本堂 右)途中の道に咲いている花や生っている果物で、季節を知る。それもまた旅の喜び

迷い道もまた楽し
お寺の周囲に、ひなびた田んぼ道。地図を見ても非常にわかりにくい。
どうやら「遍路迷わせの道」らしい。
遍路道にはつきものの標識「お遍路さんマーク」も見つけにくい。
アツヨとミユキは旧来の遍路道を探すことにし、アツコ、マキコ、ヨシコは国土沿いの道を進むことに。
どうせどこかで出会うし、最終目標地は決まっている。
土地の人に道を聞きつつ、携帯電話携帯で連絡をとりながら2つのルートで進む。

遍路道コースを選んだ2人は、すばらしい道を堪能。でも、途中で飲食店がなく、歩いていた別のお遍路さんの一団に昼食を分けてもらったという。
国土沿いの道を選択した3人にはハプニング発生。地図を見ながら歩いていたヨシコが道のくぼみに足を取られ、転倒ショック 左足を強くひねり、しばらく起き上がれない。だが、国道沿いでおいしいファミリーレストラン「とまと屋」を発見。でっかい手作りハンバーグで一気に元気が戻った。
何があるかわからないから、おもしろいクラッカー
寄り道も迷い道も、旅の醍醐味だ。

高知の地酒がんがん飲むぜ
2時すぎ、30番札所善楽寺に到着。本尊は阿弥陀如来。本堂と太師堂を打った。
納経所横には、お守りがたくさん並んでいる。
地域活動支援センター「ハートフル共同作業所」で丁寧に手作りされたストラップを購入。
金剛杖と菅傘をあしらってあり、かわいらしいドキドキ小

今回はここでお遍路はおしまい。次回は高知市内の31番札所竹林寺から始める。
境内で大阪から来ているバス遍路の一団と遭遇。高知駅まで自動車で送っていただいた。

3時35分、高知駅へ。駅舎の大きな屋根の愛称は「くじらドーム」。第7回日本鉄道デザイン賞を受賞した、おしゃれな建物だ。
インフォメーションへ直行する。
「高知の地酒を飲めるところ、この時間でやっている店を紹介してください」
「地酒を飲めるところはたくさんありますが、この時間帯ではどうかな。とにかくこのパンフレットを差し上げますね。駅周辺のマップはこれ。歩いて5分ぐらいで繁華街に着きますよ」
さくさくと説明してくれる女性スタッフの優秀なこと拍手

「2009年度版高知飲食店ガイド たのしい高知」(60ページ)をざっと見て、帯屋町にある「黒潮豪商播磨屋宗徳」と決定。
電車が出発するのまで1時間あまり。さっくり飲むことに。
クーポンがついていて、生ビール1杯無料だって。やった乾杯


左)高知橋から南国らしい椰子が見える高知の夕暮れ 右)「みなさん、こんにちは」とアンパンマンが車内放送をする「特急南風24号」(アンパンマン号)

また来るよ、高知!
生ビールに地酒2杯、しらす、ゆず、うつぼ・・と高知のうまいもんを堪能する。
歩いた後の地酒に地元の名産で打ち上げ会。これだから、やめられません。

電車
高知駅には、車体いっぱいにアンパンマンの絵が描かれた「特急南風24号」(アンパンマン号)が待っていた。
5時13分、アンパンマンとともにJR土讃本線特急(10140円)は高知から岡山に向かう。

琴平を過ぎると、空海が産まれた「善通寺」に着く。
空には大きな月が真珠色の光月を放っている。
お大師さま、次も高知を歩きますき、私たちお遍路シスターズを見守ってくださいねドキドキ大

7時49分、岡山で新幹線「のぞみ54号」に乗り継ぎ、8時35分、新大阪駅に到着。わが家に帰宅したのは9時30分。
高知県の東端、東洋町から始め、室戸市、奈半利町、田野町、安田町、芸西村、安芸市、芸西村、香南市、香美市、南国市を通って高知市まで、バス、電車、タクシーなど地元の交通機関も時折利用しながら歩いた歩数は13万歩を越えていたびっくり

それでもまだ広い高知の半分にも満たない。
次の高知行きは来年の春花と決めた。



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○今日の歩数炎 35450歩

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○今日の食事

料理朝 ホテルで、ごはん、お味噌汁、卵焼き、焼き鮭、ひじきの炊き合わせ、塩昆布(和食コース)
料理昼 ファミレスで、手作りハンバーグ定食
料理夜 居酒屋で、茎若布の酢の物、枝豆、柚でいただくしらすおろし、うつぼプレート(唐揚げ、チリマヨ、串カツ、たたき、にぎり寿司)、生ビール、有沢酒造「伊太郎」、仙頭酒造「ぼっちり」 
料理おやつ 柿(お接待)、へんろ石饅頭

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○資料

28番大日寺 〒781-5232香南市野市町西野2706 黒電話0887-56-0638
29番国分寺 〒783-0053南国市国分546 黒電話088-862-0055
30番善楽寺 〒781-8130高知市一宮2501 黒電話088-846-4141
へんろ石饅頭 〒783-0025南国市下末松433-1  黒電話088-864-2644
ファミリーレストラン「とまと屋」〒783-0043南国市岡豊町小蓮735-2  黒電話088-866-5788
黒潮豪商播磨屋宗徳 〒780-0822高知市はりまや町1-13-15 黒電話088-823-1341

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

走るKochi, to be continued走る
  Posted at 15:59 | | この記事のURL | コメント(15)
コメント
お遍路してみたくなりました。
つづきを待ってます(の)
神奈川県 Posted by:ノリスケ  at 2009年12月22日(火) 21:24
魅かれるが体が心配という人に、体力準備や疲労の情報がほしいです。楽しさOK。
京都府 Posted by:chiko  at 2009年12月22日(火) 12:14
私もお遍路行きたくなりました!
三重県 Posted by:すなお  at 2009年12月18日(金) 19:38
ダイナミック高知 土地への視点が温かくユーモラス
大阪府 Posted by:よう  at 2009年12月17日(木) 10:04
今日の歩数って、いいですね^^
大阪府 Posted by:Kuma-OT  at 2009年12月16日(水) 17:13
ポンカンマン、見逃した!! しばらく“かめ”ばかりが目に飛び込んできたせいでしょうか。悔しいなぁ。
大阪府 Posted by:あっちょちゃん  at 2009年12月15日(火) 01:59
お遍路シスターズ、楽しそうですね。
高知に行ってみたくなりました。
ありがとうございます。
大阪府 Posted by:ヤスオ大師  at 2009年12月14日(月) 16:27
美しい風景、人との出会い、美味しい食べ物を通してのお遍路の旅の様子が
良く伝わってきます。
大阪府 Posted by:K.M  at 2009年12月13日(日) 00:20
コメントは、全角換算50文字以内で入力ください。
とても楽しそうで、私もいってみたいです。
大阪府 Posted by:ユンユン  at 2009年12月11日(金) 18:25
皆さん頑張っていらっしゃって大変ながらも楽しそうな様子が伝わってきました
大阪府 Posted by:なっち  at 2009年12月10日(木) 20:23
コメントは、全角換算50文字以内で入力ください。
風景もいいけど食べ物を写真で見せてもらえたら
大阪府 Posted by:湯葉  at 2009年12月10日(木) 13:55
聖地巡礼の旅=人は何故歩くのか。人・自然・食べ物等との出会いを楽しみながら、私もいつか歩きたいな!
東京都 Posted by:ゆみCAT  at 2009年12月09日(水) 17:36
とても楽しい旅の様子が伝わってきました
大阪府 Posted by:Hikki  at 2009年12月08日(火) 10:48
若い方たち、よくがんばりましたね。
大阪府 Posted by:富美子  at 2009年12月06日(日) 14:08
お遍路の旅、してみたくなりましたお遍路旅の様子が、すごくよく伝わってきました。
愛知県 Posted by:まりもも  at 2009年12月06日(日) 00:25