土佐二十四万石の見果てぬ夢

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旅と祭りを愛してやまない自由気ままな風来坊。
勿論、よさこい祭りは大好きです。

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「酔って候」の世界を歩く [2009年11月20日(金) ]
今回の高知への旅はJR土讃線を利用しました。
瀬戸内海を渡り、吉野川の渓谷美を堪能し、列車が四国山地を抜け、やがて「土佐山田駅」に近づくと、車窓に南国の澄んだ秋空が広がってくる。
高知に来たのだ!! と実感できる瞬間です。



高知駅に到着したアンパンマン特急「南風」


高知駅から高知城までは徒歩で15分ほど、高知城は明治の廃城令や太平洋戦争による空襲を奇跡的に免れ、天守、御殿、追手門などの建造物が現存する日本唯一の城郭。日本に現存する12箇所の天守の白眉にして、南海道随一の名城と賞されます。
山内一豊公の入封以来、山内氏は16代にわたって土佐を統治して明治に至りました。 幕末の動乱期に薩摩、長州と共に明治維新の蒼々たる人物を輩出し、時の15代藩主が山内容堂公でした。


土佐山内二十四万石の華、高知城


高知城散策後は高知の台所、大橋通り商店街へ。
「池澤鮮魚」さんでは店内にカウンター席を設け旬の魚介類がその場で賞味できます。初鰹のさっぱりした味わいも良いが、この季節は脂の乗った戻り鰹のタタキが旨い、玉ねぎのスライス、青ねぎ、にんにくを絡め、タレをかけ食すのが高知流、旬の柚子をしぼれば高知の秋が香ります。



戻り鰹のタタキと柚子のハーモニーはまさに高知の秋味の極みです。


「言うたちいかんちゃ おらんくの池にゃ 潮吹く魚が 泳ぎよる よさこい よさこい 」
よさこい節の一節に歌われるように土佐の海には鯨が泳ぎ、その鯨が酔っている。
「鯨海酔候」何とも遊び心のセンス豊かで、粋なペンネームであろうか。
山内容堂は自らを「鯨海酔侯」と称し、酒と詩歌をこよなく愛し、悠々自適な生活を好んだ人物として有名です。彼は想定外の土佐藩主の地位を与えられ、関ヶ原以来の徳川家の恩義と薩長を中心とした倒幕運動の狭間で苦悩しつつ、激動の幕末を駆け抜けた人物でもありました。



色づき始めた木々が彩りを添える鏡川の畔、愛用の玻璃酒杯を片手にあぐらをかく山内容堂公の像。


「如何」容堂は、居丈高になった。満場は、このいわば無頼漢の親分でもつとまりそうな容堂に制圧せられ、しんとしずまりかえって声も出ない。 ・・・ ・・・ ・・・
やぶれたというくやしさもある。同時にこれで関ヶ原の恩義をかえしたという昂然とした気持ちもある。そうであろう三百諸侯のなかにはいわゆる御三家、御家門、譜代など、徳川家に恩縁あさからぬ大名が多いが、たれひとり徳川幕府の最期にあたつてこれほど昂然と弁護した者がなかった。
司馬遼太郎著「酔って候」より



ここ鷹匠町界隈は土佐藩時代の歴史を色濃く残す場所でもあります。
幕末に建てられた山内家の足軽屋敷は、本格的な武家長屋としての貴重な姿を今も残している国指定重要文化財建築。
藩政後期の土佐藩士や庶民の生活を知ることができる用具や和船などを展示しています。


国指定重要文化財建築の旧山内家下屋敷長屋


この写真は、2009年の3月に撮影した「土佐のおきゃく・よさこい春の舞い」の1コマです。
ライトアップで演出された山内家ゆかりの旧下屋敷長屋前石畳、土塀に踊り子さんのシルエットが影絵の如く映し出されて幻想的です。
幕末の高知に、もしも「よさこい祭り」が開催されていたならば、お祭り好きの容堂公はさぞかし喜ばれたことだろう。もしかしたら、酔って先頭に立って踊ったかもしれない。
そんな空想も楽しい、春宵の鷹匠町界隈です。


ちなみに2010年の「土佐のおきゃく・2010」は2010年3月6日(土)〜3月14日(日)に開催される予定です。
さらに2010年の秋には高知の「よさこい祭り」をモチーフにした東映映画「君が踊る、夏」も公開されるそうです。



「土佐のおきゃく・2009」で幻想的なよさこい演舞を披露する「ほにや」


坂本龍馬が土佐藩船夕顔丸で長崎からの航海の船上で後藤象二郎に説いたのが有名な「船中八策」です。
彼はこの「船中八策」を提案者たる龍馬の名を伏せ、山内容堂に進言します、容堂はこれを妙案と考え、この「八策」をもって、土佐藩の提案として幕府に建白し、大政奉還が実現するのです。
幕末というドラマの中でも最高の見せ場ではないでしょうか。



旧山内家下屋敷長屋の内部には「土佐藩船・夕顔丸」の模型が展示されてます。


幕末の高知城下を語る時、この人を外す訳にはいかないだろう。
坂本龍馬像が立つ桂浜は雄大な太平洋を望む景勝地。
和服姿に懐手、ブーツ姿の龍馬は、はるか太平洋の彼方を見つめています。
龍馬像は台座を含め総高は13メートルを超える巨大な銅像です。
毎年龍馬の誕生日であり命日でもある11月15日前後の約2カ月間は龍馬像の横に仮設の展望台を設置し、龍馬と同じ目線で太平洋を眺めることができます。



高知で期待が高まるのが、2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」
この放映にあわせ高知県では2010年1月から「土佐・龍馬であい博」が開催されます。



お酒は飲まれますか?と尋ねられれば。私は少々嗜む程度です、と答える。
ところが土佐での少々は升升で、つまり2升は飲むことになる。笑い話ではないが、酒国・土佐と呼ばれるだけあり酒好きが多く、土佐ならではの宴席文化があります。
高知の繁華街「帯屋町」界隈を放浪中に、こんな雰囲気の良いお店を見つけました。
オープンスタイルのバールでピザ、パスタ、リゾット等本格的イタリアンのメニューが充実しており、ワインの種類も豊富です。絶品のピザとカルバッチヨを肴にワインを少々頂きました。
ほろ酔い気分で高知の夜が更けてゆきます。



「バール・バッフォーネ」さん。旅の一見観光客を温かく迎え入れていただき、ありがとうございました。次回は是非ジェノヴェーゼを賞味したいと思っております。


司馬遼太郎は「酔って候」の末尾に、この詩をつけくわえ締めくくっています。
「鯨海酔候」が愛した高知の夜の情景「二州酒楼に飲す」
私もこの写真と共に掲げてみたくなりました。


昨日は橋南に飲み、今日は橋北に酔ふ
酒在り、飲むべし、吾酔ふべし 層楼傑閣、橋側にあり
家郷万里、南洋に面す 眦を決すれば、空濶、碧茫々
唯見る、怒濤の巌腹に触るるを 壮観却って此の風光無し
顧みて酒を呼べば、酒すでに至る 快なる哉、痛飲放恣を極む
誰か言ふ、君子は徳を修むと 世上解せず、酔人の意
還らんと欲すれば欄前燈なほ明らかに
橋北橋南、ことごとく絃声
  
  


五台山展望台より眺める「土佐二十四万石」の夜景。




新幹線旅の覚書新幹線

1日目
 名古屋→新幹線(のぞみ)→岡山→土讃線(南風)→高知→高知城→大橋通り商店街→山内神社→旧山内家下屋敷長屋→五台山→高知市内ホテル泊
2日目
 はりまや橋→桂浜→ひろめ市場→日曜市→高知→土讃線(南風)→岡山→新幹線(のぞみ)→名古屋
ツーリストイン高知温泉 
「じゃらんネット」で予約しました。設備、スタッフの対応ともに申し分なく、朝食バイキングも充実してます。最上階に大浴場と露天風呂があり、この露天風呂からの高知城の眺めは素晴らしい。
高知市大川筋1−5−5 黒電話088−820−5151
屋台餃子・安兵衛ジョッキ
ひろめ市場にも高知で有名な屋台餃子のお店「安兵衛」が出店してます。ここの餃子は繊細な皮の食感が特徴です。 
高知市帯屋町2−3−1 黒電話088−822−0222
土州屋ラーメン
帯屋町筋から帯屋町公園へ抜ける路地の左側に店舗があります。定番の中華そばは豚骨、鶏がら、煮干し風味が特徴。
高知市帯屋町2−1−29 黒電話088−871−1279
有限会社・池澤鮮魚クジラ
店内に居魚屋と銘打ったカウンター席で旬の魚介類を賞味することができます。この時期は脂の乗った戻り鰹のタタキがお勧めです。
高知県高知市本町2−1−19 黒電話088−822−1002
Bar・Baffone バール・バッフォーネグラス
東京の麻布、広尾でも通用する本格的なバールで、店内の雰囲気も大人が十分満足できるレベルです。メニューが豊富で料理も美味しく、ワインに相性がぴったりです。
高知市帯屋町1−2−10三翠ビル1F  黒電話088−822−3884





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